Dr.伊藤のひとりごと

グルメの会

当時、厚生中央病院の医局は各大学から派遣された先生方で構成されていた。意外と皆仲がよく、一緒に定期的においしいものを食べに行く「グルメの会」と言う会があった。まだおいしいものをあまり知らなかったぼくにとっては、それは楽しみの一つであった。東京には本当にたくさんのおいしい店はあるが、なかなか安くておいしいお店を見つけるのは今でも難しい。この「グルメの会」は安くておいしいというのがキーワードであった。渋谷のおしっこくさい横丁の中にあるふぐ料理屋さん、中野のちゃんこ料理屋さん、安くておいしかったフランス料理のグルマン亭(今はなくなった)などにいった記憶がある。この頃は他の大学の先輩先生から医学以外のこと、例えばワインの選び方と飲み方や女の子の口説き方や遊び方などいろいろなことを教えていただいた。そういえば医局で仕事が終わってからワインの試飲会もあった。あの時飲んだドイツの確かアウスレーゼとかいった1970年代ヴィンテージものとワインは本当においしかったなー。八王子の小高い山の中腹の市内を見渡すことができるところに「うかい亭」なるおいしいステーキを出してくれる店がある。建物は、「その昔、富山の豪商高田屋文兵衛の迎賓館として建てられたもの」という事で、アンティークな感じのお店である。ここには、K先生がお薬屋さんの接待と言うことでぼくも連れて行っていただいたところである。ココは本当にすばらしいお店で、ぼくはそれ以来何度か何かの記念日にお邪魔するようになった。皆にはぜひ一度はいっていただきたいお店である。さて、おいしいものを知ってしまったぼくの体重はこの頃時から少しずつ増えだして現在に至っているが、知り合いに会えば必ずと言っていいくらい「先生貫禄が付いたねー」と皮肉を言われる。まさしく今で言うメタボリックシンドロームそのものなのである。最近はちょっと走ると息が苦しくなるし、女のヒトでもないのにおっぱいがゆらゆら揺れるのがわかる。「へー女のヒトは走るとこんな風な感じなんだ」と感心している余裕は無く、早くダイエットをしないと一大事になってしまう。でも、また「うかい亭」のステーキを食べに行きたいなー。そのためにも明日から、いや来年からはダイエットしなければ!