Dr.伊藤のひとりごと
久々の更新です。
(2008年01月13日)
ボランティアでDr伊藤のWeb小児外科相談室(http://www.drito-office.jp/)と伊藤医院を紹介するホームページをやり始めてから約3年が経過した。最初は大学を辞めてから自分の担当した小児外科の子どもたちと親御さんのための相談という予定であったが、せっかくであれば全国的に小児外科疾患の相談を受けたほうがよいと考えを改めて立ち上げた。最近では年間、全国や海外から100通以上の相談がくるようになったが、仕事が終わってから自宅に帰ってPCに向かいメールを返信するのはなかなか大変である。
小児外科相談は、多くは症状の説明があり、何の病気が考えられるか。どの診療科を受診したほうがよいか。手術後の経過で合併症が起きてしまい、どうしたらよいか等である。返答は断定的な表現ではなく、あくまでも個人の意見であり参考にして欲しいとか、セカンドオピニオンとして聞いて欲しいというスタンスで行なっている。
最近、相談は若いご両親からのためか、返答を送ってもそれっきりで、お礼のメールがないことも多い。ボランティアでやっているので決してお礼を求めているのではないが、お礼のメールや、その後の経過を教えていただければ自分としてちょっとはうれしいのであるが、それが無いと少しむっとしてしまう。その後に自分はまだまだ人間ができていないと落ち込むことも多い。
自分で大きな手術をしなくなり小児外科の一線を退いてから相談室を通じて今まで自分がやってきた小児外科診療を別の角度から見てみると、第三者的立場から以前と違った見方ができるようになった。家族は担当の小児外科の先生が忙しそうなので遠慮して詳しく話しを聞けないという相談も非常に多い。おそらく医者は忙しすぎて自分たちがそう思われているとは夢にも思っていないであろう。横柄な先生が割合に多いことにも驚かされる。もちろん一方的な意見を聞いて判断してはいけないことは分かっているが、少なくともその家族はその先生にそう感じたのは残念ながら事実である。この類の医者の誹謗中傷メールへの返信は自分にとってストレスであり、私自身も気がつかないうちに患者さんや家族にそのように思われているかもしれないと考えると気を引き締めなければならないと思う。
また、なかには神経質で何度も相談のメールをしてくる親御さんもいる。「そんなの主治医に聞いてよ」と思いながらそうは書けずに返信するのもなかなか辛い。ある相談では今まで幼少期から何度も手術を受け、合併症を起こし、主治医からドクターハラスメントを受け、最近は担当医からも相手にされないとの相談もあった。一度心療内科または精神科を受診相談するのもよいかもしれないと返答したら、相談室でも自分が否定されたとメールが来てこちらも悲しい思いをしたこともある。嫌なことばかりではなく、相談後に感謝のメールも多く届き、この時はほっとする瞬間である。相談室には伊藤医院の子どもの親御さんからの相談メールもある。ある日の深夜、ある子どものお父さんから赤ちゃんが生まれたとのメールが届いた。添付されているファイルを開いてみると生まれたばかりの赤ちゃんのビデオであった。「何でぼくが生まれたばかりのほかのヒトの赤ちゃんのビデオを見ているのだろう」と思いながら、結局は苦笑いをしながら最後まで拝見させていただいた。その子は今では医院の大のお得様である。
昨年のホームページの中のDr伊藤のひとり言のコーナーであるが、なんと1年で2回しか投稿更新しておらず、妻から「すごい。200日に1回の更新ですね」と皮肉を言われてしまった。昨年は医師会活動、秋田若杉の郡市国体担当理事の仕事、依頼された講演、シンポジウムの発表やゴルフなどで忙しかったのでと言い訳をしてみるが、言い訳にしかならない。とりあえず今年は目標の設定値を低くして1年に3回の更新を目指すことにしておこう。近いうちにホームページのリニューアルも考えており、ONE’S TIME(私の時間)のコーナーを新たに作り、趣味の熱帯魚のディスカス、グルメ、和食器の愉しみ、絵画評論、ゴルフ雑談などについて簡単な文章と写真を添付してやっていこうと思っている。今年も色々やることが多いようだ。